1、気がかりだった実家
私の育った家は古い古民家でした。古民家と言っても風情のあるようなものではなく、何代もかけて増改築が重ねられ、かつて行っていた家業のための部屋も含めてかなり巨大。全体的に継ぎ接ぎだらけの家という印象で、隙間風は当たり前、水周りも素人工事といった様子で夏はカビに虫、冬は気絶するほど寒いなど、不満だらけの家でした。今はまだ両親も健在ですが、歳をとる両親のことを考えると健康にも悪そうだし、明らかに掃除が行き届いていません。いずれ私の物になると言っても今のままでは持て余すことはわかりきっていて、正直に言って相続するのが気がかりな実家でした。
2、コロナが転機に
コロナの影響で家について家族で話す機会が増え、両親もまたこのままではこの家で暮らし続けることはできないと考えているようでした。両親も最期までこの土地で暮らしたいという希望があり、いっそこの時間を使って家を建て替えることになりました。少しずつ不要なものを整理し、同時に近所の建築事務所へ相談に行くことになりました。家族全員で新しい家に望むことをリストアップして何度も打ち合わせを重ねることで理想の我が家を建てることができました。私たちからは最初に渡したリストと予算だけを守って、それ以外の細かな仕様は設計事務所の設計士さんに全てお任せします、と伝えたことで工事はかなりスムーズに進みました。
3、肩の荷が下りたよう
古い家を取り壊す時には少し寂しい気持ちになりましたが、更地になった我が家から新しい家がどんどん建ち現れるに連れて新しい生活への希望が湧いてきました。そして何より、ずっと重荷に感じていた暗くて巨大なあの家にようやく片が付いたと思うと肩の荷が下りたようでした。広すぎた敷地は将来的には分譲できるように、今は貸駐車場としてわずかですが収入源にもなっていて、まさかあの実家がここまで人生に潤いをあたえてくれるようになるとは、と驚いています。